全国で唯一の歩いて行ける「三県境」に行ってきた話
突然ですが、皆さんは「三県境」というものはご存じでしょうか。
読んで字のごとく、3つの都道府県の境が一点で交わっている地点のことで、全国に48ヶ所あります。
しかしその中で人が歩いて行けるのは埼玉、栃木、群馬の三県境のみです。他の地点は全て山奥や川の中です。つまり全国で唯一3県同時に手足をつけて遊べます。
場所は東武日光線の柳生駅から徒歩約10分の地点にあり、田んぼのど真ん中です。
そしてなぜこんな場所に行ったのかと言うと、一番の目的は読んでたマンガに出てきたので聖地巡礼です。
「恋する小惑星」の第4巻にて、この場所が登場して調べると2時間くらいで行ける距離だったので他の用事のついでに行ってきました。
↓単行本を持って記念撮影(足だけ写ってしまった少年すまない)
10月1日、友人とバーベキューをする予定があったので夕方までに沼津に行く予定だったのでした。
しかしそのちょうど1か月前に沼津に行ったばかりで、バーベキューのためにまた往復3000円以上の交通費を払うのはもったいないという謎の心理が働いた結果、JRの「休日おでかけパス」を使ってどこか寄り道してから行こうと思い立ちました。
休日おでかけパスは2720円で首都圏のJR線が1日乗り放題になるきっぷです。JR東日本限定の簡易版18きっぷみたいなもんです。
詳細⇓
北は熊谷、東海方面は小田原、東は房総半島と非常に幅広い範囲で乗降自由です。
そしてこの日の目的は4つありました。
①三県境
②同人誌即売会イベント(東京)
③羽田空港第3ターミナル
④沼津
羽田空港に関してはアニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」の第二期に登場したためこちらも聖地巡礼、そして東京モノレールに乗ってみたいという理由で行くことにしました。
しかも休日おでかけパスで東京モノレールとりんかい線にも乗ることができるので非常にお得です。(三セク路線だからね)
ということで普段は大学行く以外ニートみたいな生活してるくせに早朝から日帰り旅行スタートです。
まずは最寄りのJR某駅で休日おでかけパスを購入し、JR線と東武日光線が連絡する栗橋駅を目指します。
この栗橋という地名、その昔東急に乗って高校に通学していたときに田園都市線の半蔵門線、東武直通電車の行先で見たことがある気がしたのである程度のサイズの地方ターミナル駅だと思っていました。
しかしそれは大きな間違いでした。そもそも田園都市線を走ってる東武直通電車の行先は南栗橋駅、または久喜駅。
栗橋、南栗橋は両方お世辞にも栄えてると言えるような場所ではありません。
久喜の方は駅の周辺にスタバとかあるみたいなんで多分幾分かマシです。
栗橋駅は想像を絶する田舎非常にのどかな場所でした。しかし本当に何も無いかと言うとそういう訳でもなく、駅のすぐそこに源義経の妾、静御前の墓がありました。
よく調べてみると静御前の墓は気仙沼、長岡、福岡、山口だとかにもあるみたいですが、平安~鎌倉時代の人なんで如何せん詳細な記録が残ってないのは仕方ないでしょう。伝承では義経を追って奥州に向かう途中、この地で義経の死を知り亡くなったと伝えられているようです。
閑話休題。
一応首都圏とは思えない運行本数の東武日光線に乗り込み2駅先の柳生に向かいます。
ここで夏に四国に行って以来、久しぶりに電車で「ワンマン」って書いてあるのを見てさすがに自分の目を疑いました。また、久しぶりに電車のドア開閉ボタンも押しました。東京駅から1時間の場所で疑似四国体験みたいなのができるのでおすすめです(?)
(これを書いてる途中ちょうど西武山口線に乗って、そっちもワンマン運転だった)
そんなこんなで家を出て2時間、ようやくたどり着いた柳生駅から10分ほど歩き、埼玉県、栃木県、群馬県の三県境にたどり着きました。
看板にもあるように左が埼玉県、右奥が群馬県、手前が栃木県です。
三県境のほぼ全ては山奥や川の中だと書きましたが、この場所も例に洩れずもともとは川の中でした。
しかし約100年前に足尾銅山鉱毒事件などを背景に渡良瀬遊水地が建設されたことにより、利根川の支流の渡良瀬川の流路が2kmほど東にずれてこの地点が地上に現れました。
一度は埋め立てられて水田になったものの、観光客の増加を背景に2016年に正確な測量が行われ現在の地点に境界に接する3つの自治体名と緯度経度が刻まれたプレートが設置されました。
また、やはり県境と言えばこれです。今○○県と○○県の両方にいるって遊びの上位互換をここではできます。あいにくこの日は一人だったのでそこにいた地元の自治体の人に頼んで写真を撮ってもらいました。余談ですが、このとき初めて群馬県の地を踏みました。
前述の渡良瀬遊水地は歩いてすぐそこにあり「ハートの池」としても知られています。しかし周りに高い建物などは無く、堤防の高台から見ても形があまり分からないので地図上で見るのが一番面白いまである。今回は少し見るだけで終わってしまったのですが、知り合いによると歩いてみると「色んな動物がいて面白い」だそうです。
ここからおまけの旅行記です。
最初に書いた通り、この日の目的は4つであり、最終目的地は沼津のため埼玉県の最果てから東京都に戻ります。
この日は馬喰町の近くで行きたい同人イベントが開催されていたため、そちらに足を運んだのですが、その際初めて東京駅に降り立ちました。
駅を出て西洋風の丸の内駅舎を横目に向かったのは行幸通り。ラブライバーでなくとも知っている人も多いsnow halationのPVの聖地です。
着く直前に思い出したためあまりちゃんと細かいアングルなどは調べてなかったのですが、雰囲気の一端を味わえて満足です。
そしてそこから再び電車に乗り、浜松町駅に向かいます。羽田空港に直結する東京モノレールの起点駅です。
東京モノレールはモノレールとしては国内最速、脅威の時速80kmで営業しています。あのちんたら走る新交通システム(笑)のゆりかもめの倍くらい速いです。
(※ゆりかもめの最高速は60km/h、平均速度30km/hらしい)
数両しかない車両の相対速度160km/hでのすれ違いはわずかの4秒もしないうちに終わります。
なんかツイートしたと思ってたけどしてなかったいつぞやの東京モノレールのすれ違い
— プレア/Mizuki (@purea330) 2022年11月8日
モノレールとは思えない速度 pic.twitter.com/LxDJutRf6r
そしてモノレールにしては珍しく、地下トンネルも通ります。僕みたいなキモオタなら乗っているだけで楽しめます。
そして一番最初の空港内の停車駅である国際線用の第3ターミナル駅で下車。
ここは国際線ターミナルということもあり、外国人観光客向けに鳥居や茶屋のような店など日本らしいものがたくさんあります。
そして展望デッキでは国際線に利用されるジャンボジェット機の着陸が間近(?)で見ることができます。国内線のものより迫力があります。
帰りも当然モノレールに乗った訳ですが、やはり臨海部を高い位置で走っているのでとても景色が良いです。
競合相手にバスや京急空港線などがあり、浜松町発着ということもあり利便性ではやや劣りますが、駅は空港のターミナルに直結してますし、時間に余裕がある場合は一度乗ってみることを強く推奨したいです。
そして最終的に東京駅に戻り、東海道線のホームから上の新幹線ホームに止まるとき号を横目にグリーン車の2階席に乗り込み沼津に向かうことにしました。乗車前に購入したまい泉のヒレかつサンドがお手頃価格でとても美味しかったです。
沼津でバーベキューして終電で帰宅し、この日の合計移動距離はなんと400kmを超えました。一方でかかった交通費は3689円+グリーン車料金と移動距離の割には非常に安く済みました。
以上です。三県境、本当にモニュメントがあるだけでしたが地元の人が歴史について教えてくれたりもするんで一度行って記念撮影してみてはいかがでしょうか。
@purea330 2022.11.8